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県青協オンラインセミナー第2弾「何が違うの?個人事業と法人」

 11月24日、県青協オンラインセミナー第2弾「何が違うの?個人事業と法人」を開催しました。

 業者青年の「法人成りのメリットとデメリット、個人事業と具体的に何が違うのかを知りたい」という要求が多く寄せられることから、個人事業と法人の形態について比較するとともに、一定規模の個人と法人で税負担率がどのくらい違ってくるのかなど、講師の桒原宣之県青協事務局幹事(藤枝)が説明しました。

 その後、桒原事務局所属の藤枝民商会員で、ここ数年間に法人成りした青年業者2人をパネリストに、個人事業から法人になった当事者としての感想や意見を話してもらいました。

「実際に法人成りをして・・・」

2人のパネリストから~自己紹介と質問への回答をまとめました

 杉本隼人さん(38歳・建設)

 消費税インボイスの問題をきっかけに7月から準備を進め9月に法人設立しました。法人成りは銀行から社会保険事務所、司法書士事務所など事務手続きで行くことが多く非常に大変でした。

 法人にしたことで消費税が2年免除とはいっても、その先どうなるか金銭面では不安もあるが、個人の時はお金を自由に使っていたのが、会社と個人のお金をハッキリ分けることで商売の利益がどのくらいあるのか経費を細かくチェックするようになり、個人的にも給料制で安定したことは良いことだと思う。

 法人成りとともに資材を買い揃え、受注を増やすよう努力をしているが資金繰りは大変。でも「消費税免除の2年間でどれだけ会社を成長させられるか」といつも意識して努力していきたい。

 西野匡彦さん(46歳・木工品製造)

 8年前に父からの事業承継をきっかけに法人設立しました。当時、取引先から「やっと法人にしたね」と言われ、機械屋さんからは「木工業界に若い人が入ってきてくれて嬉しい」と言ってもらえた。

 個人の時に国民健康保険や国民年金を自分の所得から払うのはやはり大変だったので、自分にとって社会保険や給与面でメリットを感じる。

 記帳の面でも、個人の時は「確定申告に間に合えばいい」という感じだったが、今は売上や材料費を対前年比や月別で帳面をよく見るようになった。ただ現在までに利益が出ていない状態なので節税対策についてよく考えている。

 事業継承と法人成りをする前は自分の意思で決められなかったことが、今は代表取締役として「こうしようと思うけれどどうだろう」と相談を持ち掛ける立場になった。設立当時を思い出すと、取り引き業者が増えた。今、担い手がいない業種が多いが、法人化することで良い人材を集めやすくなるのではないかと思う。

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 参加者から2人の経験と自分の商売を重ね合わせた発言や質問が相次ぎ、活発なやりとりが続きました。

 終了後、「個人事業と法人それぞれの信用度や資金繰りの比較が良かった」「実際に法人成りした2人のリアルな話を聴くことができてとても良かった」「家族経営で社保加入など、自分ではこれまでデメリットだと感じていたことが、メリットに感じられている話がとても参考になった」などの感想が寄せられました。

 オンラインセミナーには7民商から26人が参加。現在は会社員でこれから開業を考えている青年も参加、そして現在は両親の会社で働き来年には独立開業を目指している青年は「全く知らなかったことを学習できて嬉しい、今後もがっつり相談に乗ってください」と民商に期待を寄せました。