10.1 業者婦人の一斉アピール行動

「インボイス制度」登録申請のスタートとなった10月1日、静商連婦人部協議会は全婦協の「総選挙に向け、10月1日を中心とした、インボイス制度実施中止、消費税減税、コロナ危機打開の実現に向け業者婦人のアピール行動を」との呼びかけに応え、財務省、経産省、厚労省大臣に向けた要求ハガキ送付の取り組みを行いました。

9月15日に開催した県婦協幹事会では、この呼びかけにどう応えるか、緊急事態宣言下で仲間にどう呼びかけたらいいかを話し合いました。

スタンディングアピールや動画でのアピールなど、様々な方法を出し合う中で、「全県一斉で同じ取り組みがしたい」という声もありそれではと、「官製はがきに業者婦人の要求を書き込み、関係省庁に送る取り組みにしよう」と決まりました。

翌日、さっそく県連事務所で官製はがきを準備。参加者が少しでも楽しく取り組めて、受け取った人が「ん?」と思うような目立つハガキにしようと、様々なポーズの女性のイラストを入れ、全県婦人部員の約1割、350枚を用意しました。

財務省向けの「所得税法第56条の廃止」、厚労省向けの「国保の傷病手当の対象の拡大」を求めるハガキは、県婦協として一番力を入れたいところのため、あらかじめ文面を印刷したものも含め、業者婦人が自由な言葉を書き込めるよう文例を添えて各民商婦人部に送りました。

各民商婦人部ではハガキ到着に合わせ部会を開いたり、わざわざ集まる機会をつくり、アピール行動の趣旨と政治情勢などを話し合いながらハガキを書き込みました。

文例を読みながら「私はコレ、本当に国に言いたい!」「インボイスはロクに説明もせず登録申請をスタートさせるなど横暴すぎる、絶対に中止してほしい」「消費税、党派を超えて減税を求める声が出ているのに何もしないのはおかしい」など、思いを出し合いながらセッセとハガキを書いていった業者婦人の様子が報告されています。

清水民商婦人部は部会でも書込みしましたが「部会に参加できなかった人にも書いてほしい」と部員の自宅を訪問しました。玄関先でアピールハガキのことを説明すると、「分かった!今書くよ」とすぐに自分の思いを書いてくれました。文例が無くてもすぐにスラスラ要求を書く姿に、コロナ禍の商売とくらしで今までにない困難に直面し、国への要求がこれまで以上にハッキリと浮き彫りになっている様子が見えました。

9月末から10月1日にかけほとんどのハガキが投函されましたが、自民党総裁選後、ハガキが残った婦人部では「新大臣あてに全部投函しよう」と改めて呼びかけ取り組みました。

これで準備した全てのハガキ、350の業者婦人の声を関係省庁に送りました。

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久保山愛吉氏追悼焼津行動 9.23焼津のつどい

1954年3月1日、ビキニ環礁でのアメリカによる水爆実験で被災した第五福竜丸(焼津船籍)無線長・久保山愛吉氏の命日である9月23日、「久保山愛吉氏 追悼焼津行動 9.23焼津のつどい」(3.1ビキニデー実行委員会主催)が開催されました。

コロナ感染拡大による緊急事態宣言下のため、今年はウェビナーによるオンライン開催で、メイン会場とした県商連会議室から発信しました。

久保山愛吉さんと共に第五福竜丸乗組員として被爆され、今年3月に亡くなられた大石又七さんの義妹である河村恵子さんが講演されました。

被爆した大石さんと結婚したお姉さんの苦労、一方的な被害者であり被爆による体調不良や後遺症に悩む乗組員、そしてその家族に対する誹謗中傷や嫌がらせのお話は、本当に恐ろしく思いました。

2011年の福島第一原発事故後、被災地の子どもたちが転校先でいじめに遭うなど数々の事実が現代でもあります。「67年前のことだから」ではなく、被爆という事実が一人の人間の人生を変えてしまうのは今も昔も何も変わっておらず、核は人間と共存できない廃絶するべきものなのだという思いを人類が共通して持つことしか解決策はないのだと改めて感じさせられました。

講演の後、御殿場の渡辺希一さんから日米共同訓練が常態化するなど新たな段階に入った東富士基地の監視行動とたたかいについて、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める署名推進静岡県連絡会の志田剛事務局長から署名推進の取り組み状況について、最後に静岡大学農学部出身で現在地球環境問題に取り組んでいる神澤清さんから気候変動への対策の必要性を街頭や講演活動で訴えている活動について、それぞれ発言がありました。

1人7分ほどでしたがどのお話も大変興味深く、機会をつくり時間をかけ詳しく伺いたい内容でした。

全体で2時間の「焼津のつどい」でしたが、午前の墓参行進には約50人が参加され、午後のWEB配信に78ヵ所から接続があったことが報告されました。WEB参加も準備された複数の会場に少しずつ人が集まって視聴されたため、実際の参加者数は200人以上になると思われます。

最後に成瀬運営委員代表が「WEB開催で例年現地に参加できない方も参加できた点はとても良いことだが、やはり来年は焼津に集まり顔を合わせて『焼津のつどい』を開催したい」と思いを語り閉会となりました。

県憲法共同センター ジェンダー問題学習会

9月4日に県商連も加盟する静岡県憲法共同センター主催の「ジェンダー問題学習会」が開かれました。

講演は県商連の企画ですでに2回もお話しいただいた、歯科医の山田美香先生。

身体の性は「男性」として生まれながらも様々な経験を経て、女性として生きることが認められたこれまでの人生についてお話されました。

幼少期から感じていた性別違和と周りからの壮絶ないじめ、特異の目と中傷が絶えない中でもスカートを履き通った大学時代の話から職場での排除の経験など、哀しい苦労の連続の末、国内2例目の性別適合手術(男性から女性では国内1例目)を受け、その後戸籍変更を実現した経緯まで、山田先生は顔と名前を出して講演活動を行うなど堂々と発信されています。

気の遠くなるような長い期間の偏見とのたたかいと挑戦、そして勇気ある行動には何度聴いても頭が下がる思いであり、感動を覚えます。

今年還暦を迎えたという山田先生は、「『やらずに後悔するより、やって後悔する方がいい』という思いで生きてきた」と語り、自分の人生に悔いがないとも仰いました。

質疑で「性別適合手術を受け、戸籍の性別変更も実現した今でもなお、生きづらさを感じる場面はありますか?」という質問に、先生はお母様の介護等にかかわり行政の職員と電話で話すことが多々あり、その際声のトーンだけで「息子さん」と呼ばれることに憤りや悲しみを感じると話されました。

会場参加者、WEB参加者双方から質問や感想が相次ぎ、「自分もジェンダーマイノリティの一人だ」という方から、職場や周りの人とのやり取りの中で生じる誤解や誤った認識による苦悩なども語られました。

山田先生のお話と参加者との質疑の中で、誰もが持っている思い込みと決めつけが、気づかないうちに相手を傷つけ、多くは社会通念上的になっている事柄から「それは嫌だ」と声を上げることもできていない人がいる。それはジェンダーマイノリティや社会的に少数派の人たちだけでなく、「普通」と思っている誰もが持っていることだということがハッキリと見えてきました。

「普通」は誰が決めたのか、「普通」とは何なのか、当たり前に過ごす中でほとんど気づかないことばかりですが、真のジェンダー平等社会のためには時折立ち止まって考えることが必要だと感じる学習会でした。

参加者は会場に19人、WEBで16ヵ所でした。コロナ禍でなければもっと多くの人が会場に足を運び、ぜひ多くの人に聴いていただきたいお話、有意義な学習会でした。

 

「ジェンダー問題」オンライン学習&講演会

県商連も参加している、静岡県憲法共同センター主催「夏の学習会」が9月4日(土)14:00から開催されます。

講演では当事者でもある山田美香先生(静岡市・歯科医師)が、性同一性障害をとおして経験された様々な問題についてお話をしてくれます。

お話を聴いたうえで、ジェンダー問題の本質や誰もが自分の人生を自由に生きる社会について、ご一緒に考えませんか?

緊急事態宣言下のため、オンライン開催をメインにしました。

まだ参加は受け付けているので、お話を聴いてみたい方は、誰でも何処からでもご参加いただけます。

また、WEB参加が難しい方は、静岡市・あざれあ大会議室で直接参加もできます。

参加申し込みは → 静岡県商工団体連合会へメール、または電話でどうぞ。

フェイスブックからは、メッセンジャーによるメッセージでも可能です。

メール・・・shizusyoren(アットマーク)ny.tokai.or.jp   

スパムメール防止のため(アットマーク)としています。メール送信の際、記号に書き換えてください。

電話 054-283-8885

8月25日

長い間、静岡県の、全国の業者婦人の地位向上運動の先頭に立ち奮闘された大石邦子さん(現県婦協副会長)が、闘病の末亡くなられました。

昨年秋の全婦協総会オンラインには、県婦協の仲間と元気に参加されていたので、まだ信じられない思いです。

7月に邦子さんから「しばらくお休みさせてもらうけど、必ず元気になるから」と電話をいただいていました。

邦子さんがこれまで訴え、行動してきた業者婦人の運動を、しっかり引き継いでいきましょう。