「持続化給付金」「家賃支援給付金」不給付に対する審査請求

昨年から今年春まで行われていた「持続化給付金」「家賃支援給付金」の申請ですが、申請受付窓口やサポートセンター窓口の対応は様々でした。

申請受付期間中、サポートセンターで1次審査、2次審査を担当していた派遣労働者が「データ入力の募集を見て応募し、マニュアルを見ながら機械的に振り分けていた。審査基準の変更がほぼ毎日あり明確に判断できないものも多く、そういう申請は全て『不備』にしていた。申告の知識のある人は数人だった」と報道番組で語っていました。

全国では明らかな営業実態があり確定申告も行っているのに、これまで何も問題がなかった書類の文言を理由に、各給付金の『不給付』という結論を突き付けられた中小業者が大勢取り残されています。

6月11日、全商連は「持続化・家賃支援給付金の不給付に対する審査請求説明会」を開き、弁護士から審査請求の意義と方法についての説明と共に、「不給付」とされた全国の民商会員が一斉に「審査請求書」を提出することを呼びかけました。

6月21日、説明会以降に全国から集まった61人分の「審査請求書」(持続化52件、家賃支援9件)が、全商連事務局長はじめ申請代理人の弁護士の方たちにより中小企業庁に提出、「審査請求に真摯に対応し、不当な決定については速やかに取り消し、給付金を支給すること」と訴えられました。

県内でも今回、浜北民商の喜多さんが審査請求書を提出し、午後からの記者会見にもWEBで参加されました。

喜多さんは2019年10月に開業したものの、開業届の提出が2020年4月1日以降になってしまったため『不支給』とされました。

2019年分の確定申告は行っており、2020年6月時点では持続化給付金申請要綱には「開業した年月日の公的機関の証明が必要」とは書かれていなかったため申請を行いましたが、ある時期から新たな文言が追加され『不備』の繰り返しで支給が認められませんでした。

「申請した時期によって支給された人と『不支給』とで分かれてしまった。そのことは中小企業庁も認めたが、給付金事務局と20回以上メールのやり取りをしたが『不支給』は撤回されず、後出しじゃんけんのようで納得できない」とWEBカメラを通し、会見場に集まった記者たちに訴えました。

全商連と弁護団は会見で「コロナ禍で中小業者を救うための給付金制度だった。その審査は『不備』を見つけハネることではなく、救うことを目的に行わなければならなかったのだ」と強調し訴えました。

今回の「審査請求書」集団提出は第1次分のため、今後も審査請求書提出は行えます。

明日6/3告示の静岡知事選挙にあたり意見広告(みんなの会)

明日6月3日は静岡県知事選挙告示日です。(6/20投開票)

本日6月2日、県商連も参加する「憲法をくらしにいかす県政をつくるみんなの会」で一般紙に意見広告を掲載しました。

リニア問題、浜岡原発再稼働問題、コロナ禍における医療支援体制の3点を評価し、現職・川勝知事を応援します。

静岡県知事選に向け記者会見(憲法をくらしにいかす県政をつくるみんなの会)

5月26日(水)県商連も加盟する「憲法をくらしにいかす県政をつくるみんなの会」として、6/3告示―6/20投開票で行われる静岡県知事選挙についての見解を記者会見で表明しました。

記者会見には会の代表委員として県商連の大石秀之会長、構成団体のうち事務局を代表し、廣瀬県評事務局長と瀬川県商連事務局長が参加しました。

「みんなの会」としては事前の話し合いで、現職・川勝平太知事の①リニア新幹線問題、②浜岡原発再稼働問題に対する姿勢を評価するとともに、③現在の「コロナ禍での医療体制についての対応を支持」の3点を確認し、県知事選を自主的に応援することを確認しています。

「みんなの会」として現職支持は初めてのことです。

記者会見では集まった記者の方々に「リニア問題のどういった点を評価しているか」「出馬を表明している自民党の岩井氏との違いをどう受け止めているか」と、前回(2017年)の知事選では「自主投票」とし、今回現職支持を表明した理由など様々な質問を受けました。

リニアについては大井川流域で商売し暮らす会員業者も多く、リニア工事による水資源減少について不安や疑問の声があがっています。「みんなの会」としては2014年、環境影響評価準備書に対し知事意見として「工事で出た湧水の全量戻し」という文言が加えられ、正式に国交大臣に届けられた。そのことを受けて有識者会議が設置されています。

こうした経緯から、湧水の全量戻しが守られないことには(静岡工区の)リニア工事着工はあり得ません。そのことをブレずに主張し問題に向き合う川勝知事の姿勢を評価しています。

また、浜岡原発の再稼働問題では、県商連も参加する「国民大運動静岡県実行委員会」での知事懇談で、川勝知事は「使用済核燃料の保管場所が無い以上、浜岡原発は動きません」と毎年断言しています。

そして災害時の避難計画について、県民が県外市町に散らばるのではなく、県内への避難をするべきという主張をはじめ、緊急時区域PAZ(半径5km以内)、UPZ(半径30km以内)の問題についても、図上の計画でなく実効性あるものにする必要性を話されています。

こうした点から、まず第一に私たちのくらしを守るという点で、現職の川勝知事の自主支援(勝手連で)を決めたことを説明しました。

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ここからは県商連としての川勝知事に対する独自の評価です。

民商・県連には経営や暮らしが厳しく税金の納付が滞ってしまい、その結果、分納を続けていても県滞納整理機構から突然の差し押さえや、強権的な呼び出し、話し合いに応じてもらえない等の相談が相次いでいました。

しかし、川勝知事に「せめて話し合いに応じてほしい」「払いたいという意思を尊重してほしい」と国民大運動・知事懇談の中で訴えてきた中で、知事は自身が県滞納整理機構の広域連合長である組織の実態を知り、すぐに納税者の立場に立った滞納整理と対応を周知しました。

その結果、県商連が毎年行っている県交渉に滞納整理機構の職員が出席するようになり、納税者の不安を聞き取り、問題点を重く受け止め改善する対応に変わっています。

こうした点からも現職再選のため、あらゆる機会で呼びかけを行っていきます。

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2021年 国民平和大行進スタンディングアピール(静岡市)

5月24日(月)例年なら平和行進が旧静岡市内に入ってくる日ですが、今年もコロナ禍のためスタンディングによるアピールとなりました。

県連は例年、神奈川県湯河原町と湖西市新所原での県をまたぐ引継ぎで平和行進に参加しますが、今年は事務所近くの静岡市葵区での行動に参加しました。

静岡市葵区の青葉公園前には、市内の団体や日本の「核兵器禁止条約」への参加を願う個人の方など、約50人ほどが集まっていました。

参加者は様々な工夫を凝らしたアピールグッズを広げ、順番に「唯一の被爆国である日本が核兵器禁止条約に参加しないのはおかしい」、「みんなで世論を広げよう」などとハンドマイクで訴えました。

道行く人の中には、カラフルな横断幕に目をやりながら「私も日本も条約に参加すべきだと思う」、「おかしいわよね、政府は何を考えているのかしら」と話しかけてきた人もいました。

予定ではスタンディングは1時間でしたが、小雨がぱらついてきて徐々に大粒に・・・。20分ほど早く終了となりました。

平和行進の静岡県入りを前に、県原水協ではカラフルな横断幕を作成しました。今年はその横断幕が県内多くの地域で使用され、梅雨の最中ですがきれいな虹と元気な子ども(のデザイン)が県内を元気につなぎました。

憲法施行74周年 憲法を考える市民の集い

5月3日(月祝)、県商連も参加する静岡県憲法会議主催の「憲法集会」が開催されました。

昨年はコロナ禍で中止の判断をしましたが、開催を望む声も多く寄せられていたことから、実行委員会では会場の労政会館ホールへの入場可能人数を150人迄とし、YouTubeでのライブ配信の視聴による参加も合わせて呼びかけました。

事前の申し込みでは100人に満たなかったため、大きなホールがガラガラで少し寂しい気持ちでしたが、開場時間が近づくとともに人が増え、最終的には会場参加が120人と、座席の間隔が空いてはいるものの会場いっぱいの参加者となりました。

コロナ禍で国民の関心が逸れていることを良いことに、自民・公明・維新の各党が衆院憲法審査会で「国民投票法改定案」を強行し、改憲への地ならしを狙う動きへの関心の高さが窺えました。

第1部「篠笛の演奏と憲法朗読」は、劇団「わらび座」で俳優として活躍された永野修司さんによる『清沢弁(静岡市内山間部で永野さんの出身地)』での憲法朗読と、日本の伝統的横笛奏者の松尾慧さんによる篠笛演奏のコラボレーション

そのまま読めば堅苦しく、解釈が容易でない憲法を静岡県民にとって馴染みある言葉で読まれる憲法は、「憲法は国会や議員のためにあるものではなく、都会だろうが田舎だろうが日本に住む国民一人一人を守る身近なもの」と改めて思い起こさせる響きがありました。

また、節目に入ってくる篠笛の清らかな音色は、様々な角度から国民を守ることを保障する憲法の荘厳さを表しているようでした。憲法が本当に守られる社会であれば・・・と希望がわいてくるような素晴らしいコラボレーションでした。

第2部、笹沼弘志・静岡大学教授による講演「日本社会の脆弱性と日本国憲法」は、笹沼教授のホームレスの人々を支援する野宿者のための「静岡パトロール」事務局長としての活動を通したお話でした。

昔のようにホームレスの人を見かけることはほぼ無くなりましたが、2021年1月の調査では全国で3824人以上(テント等の数から推計)、把握ができていない人数を含めるとその倍以上は存在していると思われます。

時々テレビニュースで報じられる野宿者襲撃殺人の事例など居た堪れない話も含め、住民基本台帳に記録がないからとコロナ禍で特別定額給付金も受け取ることができない状況などが紹介されました。

また、貧困の広がりとともに増える性風俗に従事する女性の数ですが、この間の持続化給付金の給付対象からは「性を売り物にしている」ということで外されています。現在、性風俗に従事している女性の数が全国約35万人というお話は衝撃的でした。

笹沼教授は生活に困窮しても申請に躊躇しがちな生活保護について、「もっと使いやすければだれも悪いことと思わない。例えば健康保険を使うことを拒否する人はないはず。プライドが高い低い関係なく必要な時に申請するハードルが低ければもっと活用されるはず」と仰いました。この言葉に会場から多くの頷く声が聴こえました。

実際の貧困やホームレスの現状から語られる言葉は、非常にリアルで納得できることばかり、いつだれが同じ立場になるかわからない、そして憲法が機能していない現状について私たちは知るべきだと感じさせられました。

講演後の質疑では参加者から「働こうと思えば何でもあるのに働かない、それで生活保護を受けて楽をしようとする人はずるいと思う」という率直な意見も出されました。

笹沼教授は、そう思わせてしまうマスコミや政治家の言葉などを紹介しながら、「一人ひとりのホームレスや生活保護受給者がどのような事情を抱えているか、本当に働ける場所があるのか、その人を無条件で受け入れる環境があるのかを見極めることが大事」等と丁寧に答えられました。

我が国の憲法と私たち国民が置かれている脆弱な社会について、深く考えさせられる講演でした。第1部の憲法朗読と合わせ、憲法を考える集いとして非常に有意義な集会でした。

コロナ禍で中小業者の営業とくらしがどんどん追い詰められています。目の前の対応に追われる毎日ですが、私たちも改めて憲法について考え語り合い、憲法が持つ本来の役割について声を発していく必要があります。