トピックス

憲法施行74周年 憲法を考える市民の集い

5月3日(月祝)、県商連も参加する静岡県憲法会議主催の「憲法集会」が開催されました。

昨年はコロナ禍で中止の判断をしましたが、開催を望む声も多く寄せられていたことから、実行委員会では会場の労政会館ホールへの入場可能人数を150人迄とし、YouTubeでのライブ配信の視聴による参加も合わせて呼びかけました。

事前の申し込みでは100人に満たなかったため、大きなホールがガラガラで少し寂しい気持ちでしたが、開場時間が近づくとともに人が増え、最終的には会場参加が120人と、座席の間隔が空いてはいるものの会場いっぱいの参加者となりました。

コロナ禍で国民の関心が逸れていることを良いことに、自民・公明・維新の各党が衆院憲法審査会で「国民投票法改定案」を強行し、改憲への地ならしを狙う動きへの関心の高さが窺えました。

第1部「篠笛の演奏と憲法朗読」は、劇団「わらび座」で俳優として活躍された永野修司さんによる『清沢弁(静岡市内山間部で永野さんの出身地)』での憲法朗読と、日本の伝統的横笛奏者の松尾慧さんによる篠笛演奏のコラボレーション

そのまま読めば堅苦しく、解釈が容易でない憲法を静岡県民にとって馴染みある言葉で読まれる憲法は、「憲法は国会や議員のためにあるものではなく、都会だろうが田舎だろうが日本に住む国民一人一人を守る身近なもの」と改めて思い起こさせる響きがありました。

また、節目に入ってくる篠笛の清らかな音色は、様々な角度から国民を守ることを保障する憲法の荘厳さを表しているようでした。憲法が本当に守られる社会であれば・・・と希望がわいてくるような素晴らしいコラボレーションでした。

第2部、笹沼弘志・静岡大学教授による講演「日本社会の脆弱性と日本国憲法」は、笹沼教授のホームレスの人々を支援する野宿者のための「静岡パトロール」事務局長としての活動を通したお話でした。

昔のようにホームレスの人を見かけることはほぼ無くなりましたが、2021年1月の調査では全国で3824人以上(テント等の数から推計)、把握ができていない人数を含めるとその倍以上は存在していると思われます。

時々テレビニュースで報じられる野宿者襲撃殺人の事例など居た堪れない話も含め、住民基本台帳に記録がないからとコロナ禍で特別定額給付金も受け取ることができない状況などが紹介されました。

また、貧困の広がりとともに増える性風俗に従事する女性の数ですが、この間の持続化給付金の給付対象からは「性を売り物にしている」ということで外されています。現在、性風俗に従事している女性の数が全国約35万人というお話は衝撃的でした。

笹沼教授は生活に困窮しても申請に躊躇しがちな生活保護について、「もっと使いやすければだれも悪いことと思わない。例えば健康保険を使うことを拒否する人はないはず。プライドが高い低い関係なく必要な時に申請するハードルが低ければもっと活用されるはず」と仰いました。この言葉に会場から多くの頷く声が聴こえました。

実際の貧困やホームレスの現状から語られる言葉は、非常にリアルで納得できることばかり、いつだれが同じ立場になるかわからない、そして憲法が機能していない現状について私たちは知るべきだと感じさせられました。

講演後の質疑では参加者から「働こうと思えば何でもあるのに働かない、それで生活保護を受けて楽をしようとする人はずるいと思う」という率直な意見も出されました。

笹沼教授は、そう思わせてしまうマスコミや政治家の言葉などを紹介しながら、「一人ひとりのホームレスや生活保護受給者がどのような事情を抱えているか、本当に働ける場所があるのか、その人を無条件で受け入れる環境があるのかを見極めることが大事」等と丁寧に答えられました。

我が国の憲法と私たち国民が置かれている脆弱な社会について、深く考えさせられる講演でした。第1部の憲法朗読と合わせ、憲法を考える集いとして非常に有意義な集会でした。

コロナ禍で中小業者の営業とくらしがどんどん追い詰められています。目の前の対応に追われる毎日ですが、私たちも改めて憲法について考え語り合い、憲法が持つ本来の役割について声を発していく必要があります。

第92回静岡県中央メーデー

本日5月1日はメーデー!

県商連も大石秀之会長、婦人部の川島文江会長、静岡民商山杢事務局長、県連事務局長瀬川が静岡市・青葉公園で開かれた県中央メーデー(静岡県評・静岡地区労連主催)に参加しました。

メーデーというと労働者の祭典で、中小企業経営者の立場では関係ないと思われがちですが、中小零細業者の多くが大企業などの元請から単価をたたかれ、無理な納期を迫られ休みもロクに取ることができないなど、資本主義社会の中での立場は一労働者と同じです。

連帯あいさつに立った大石会長は、コロナ禍での中小業者の厳しい経営実態や国の支援の不十分さについて語るとともに、県中央メーデーのメインスローガンである「8時間働いて普通に暮らせる賃金・働くルールの確立」、「いますぐ最賃1500円 全国一律最賃制の実現」について、「自分自身も中小零細業者として、仕事を頑張ってくれる社員に少しでも多くの賃金を払いたいと思う。中小業者と労働者がお互いの立場を尊重し合い最賃引き上げに力を合わせ、政治を変え、業者の経営向上と働く環境の向上をめざすため共に頑張ろう」と呼びかけました。

集会には袴田事件・袴田巌さんの姉、袴田秀子さんも駆けつけ、これまでの支援への感謝の言葉と共に、東京高裁再審開始を求める運動への引き続いての協力を訴えました。

88歳という年齢でありながら、巌さんの無罪を勝ち取るため張りのある声で力強く訴える姿に、会場からはひときわ大きな拍手が送られました。

信じるもの、大切なものを守るために動き闘い続けるという各界・立場からの思いが集まり交流できた良い集会でした。

静商連News 59-2号

2.8静岡県中小業者集会~23項目の中小業者要求を県に要請、被災67年3.1ビキニデー集会、全婦協主催「立憲野党の女性国会議員との懇談会」

被災67年2021年3.1ビキニデー集会

3月1日、被災67年2021年3.1ビキニデー集会がオンラインで開かれました。

コロナ禍の今年は午前中の墓参行進は中止、墓前祭は実行委員会の代表者や宗教者など限られた人数で行われ、その様子は集会の中でビデオで紹介されました。

毎年午後から行われる3.1ビキニデー集会、今年は県商連会議室を「静岡スタジオ」として、東京のメインスタジオと繋ぎ、3.1ビキニデー静岡県実行委員会の大和忠雄さん(県原水爆被害者の会会長)の開会あいさつなどを発信しました。

静岡スタジオには実行委員会の代表者と要員8人、そしてマスコミ関係者3社6人が詰めかけ、狭い会場がいっぱいになってしまったため、急きょ長机を外に出したりしながら対応しました。

第1部は来賓や政党からの連帯メッセージ、広島市長、長崎市長、静岡県知事、静岡大学学長に加え、高校生平和大使静岡県委員会からのメッセージが紹介されました。

どの方のメッセージも、2016年からスタートした「ヒバクシャ国際署名」の取り組みが大きなうねりとなり、2017年に核兵器禁止条約の国連採択につながったこと、そして122ヵ国の賛成、50ヵ国が批准し、今年1月22日、ついに核兵器禁止条約が発効されたことへの喜びと共に、引き続き日本政府の署名・批准を求め、いかなる核も廃絶、原発再稼働を許さない運動へのスタートとして改めて力を合わせようと、未来への希望にあふれたものでした。

第2部はピアニストの小島太郎さんによるピアノ演奏から始まりました。気持ちを清らかにするような綺麗な音色に、会場の参加者もじっくり聴き入っていました。

また、映画監督の坂田雅子さんによる「坂田雅子監督の見たマーシャル諸島のいま」ミニトークと映像配信は、何の罪も落ち度もないマーシャル島々の人たちが、アメリカによる水爆実験での被ばくに加え、気候変動による影響も直撃する小さな島々に暮らす人々の今をリアルに伝えました。

いまも故郷に帰ることができない島民の「終わったこと、過去のことではない」「どちらの場合も、大国の責任逃れは同じだ」という言葉が大変印象的でした。

各地の運動交流では県商連も参加する「非核の政府を求める静岡の会」の志田事務局長が、自治体の意見書採択の働きかけの取り組みや、先日立ち上がった「日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める」署名推進県連絡会の活動の展望などを報告されました。

最後の集会アピール(案)は県商連事務局長が読み上げました。「(前中略)日本政府がアメリカの核政策に追随し、核兵器禁止条約に背を向けていることは世界唯一の被爆国にあるまじきことです。日本政府にアメリカの『核の傘』から抜け出し、率先して核兵器禁止条約に署名、批准することを求めます。新たな署名も始まりました。今こそ、非核、平和の国民世論を広げ連帯と共同を豊かに発展させましょう」アピールはWEB上で全会一致の採択が確認されました。

ウェビナー参加は全国で612スポット、大きな会場で数十人で参加していたというところもありました。焼津に集まることができないのは残念でしたが、「WEBだから参加できた」という方も少なくなかったようで、今後、新たな形での集会や運動への展望も広がりました。

静岡県憲法共同センター総会

2月20日、県商連も加盟する「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす静岡県共同センター」の総会が開かれました。

今年は記念講演に日本学術会議会員候補として名前が挙がった105人のうち、任命拒否をされた6人のうちの一人、当事者である東京慈恵会医科大学教授の小沢隆一先生(憲法学)にお願いし、「日本学術会議任命拒否問題と学問の自由への侵害」についてお話しいただきました。

小沢先生のお話は、自分が任命拒否されたことを知った瞬間の様子から始まりました。

学術会議事務局から連絡を受け理由を訊ねても「内閣府の人事に問い合わせても教えてくれない」と言われ、事務局長同様、驚いたと同時に大変動揺したこと。

また、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言」の検討委員会など、学術会議連携会員としてかかわってきた経緯や、学術会議会員任命の歴史や守られてきた学術会議の意義についても丁寧に説明していただきました。

この間の経緯や背景を聴けば聴くほどこの問題は、憲法「改正」につなげる道程であると感じられました。

講演後の総会では、この問題が風化しないよう今後は大学関係者とも連携しながら学習と署名を進めようと確認しました。